江戸時代に学んだ子育ての本質

「WOW!SAMURAI!」

海外を旅をしていて、
子どもたちに会った時に
たまに言われる言葉。

私が日本人だと知るとキラキラ目を輝かせて
剣を切るポーズを取られることがある。

「日本のアニメで見た!」と
子どもたちは話していた。

子供たちだけでなく
大人にも言われることがあって
日本のアニメは本当に世界で
見られてるんだと思いびっくりする。

中には全然知らないアニメの名前もあって

私よりも海外の人の方が
アニメを見ているんだなと驚いた記憶がある。

そんな「SAMURAI」が
まだ普通に存在していた今から400年前の日本。

「江戸時代」と呼ばれたその時代は
約260年間もの間、

海外とほとんど交流せずに
日本独自の文化を育んだ。

当時の日本は海外からすれば
未開の国だと思われていただろうし
(実際江戸時代が終わったのは
アメリカが武力で開国を要求したからだった)

今の時代の私たちも
「SAMURAI」がいた400年前の生活は
今よりも劣っていたと考える人も多いかもしれない。

でも先人が積み上げてきた知恵の恩恵を受けて
私たちは暮らしている。

だからこそ私たちは常に歴史から学び
未来を創っていくことが大事だと思う。

江戸時代もたくさんのことを教えてくれた。
その中でも今回は江戸時代から学んだ
「子育て」の本質についてお伝えしたい。

なぜ「子育て」かというと
実は私自身子育ての事業をしているから。

「子育て」とは
すべての人間の人生の土台をつくるものであり
子どもを育てることは未来の社会を育てることだと思う。

そんな子育ての本質を学んでいく中で
「幼児期」の子育てや教育が
その子の人生の土台を作ると知った。

それで0~6歳の赤ちゃんや小さい子どものママたちの
子育てや教育をサポートする事業をさせてもらっている。

江戸時代は子育ての本質を教えてくれた
一つのきっかけだった。

江戸時代でも同じように
「7歳までは神のうち」と言われて
子どもが大切に育てられていたらしい。

そして皆が子育ての大切さを知っていて
人としての礼儀や生き方、
自分が生まれた国の文化を
小さい頃から教えていたんだそうだ。

2歳から挨拶教育を、
2~3歳の頃は特に周りの大人が
言葉つかいに気をつけること、

4~5歳からは
日本の伝統的な百人一首を学習せよ、

などと説く教育論の書物も
多く出版されていたそう。

そして江戸時代の子育ては
人としてどう生きるかを教えることが
親の役割だった。

例えばこんなやりとりが
親子で頻繁に行われていたという。

「社会は誰と誰から出来ている?」
「自分と他人」と子どもは答える。

すると親は、さらにこう聞く。

「自分は何人いるか?」
「一人」

「そうだろう。自分は一人だ。
自分以外は全員他人だ。

自分勝手、自分中心になった途端に
一人きりになるのだ。

一人では、その辺にある
大きな机一つ運べないだろう。
一人では人間は暮らして行けないんだぞ」と。

そうして常に自分優先、自分の利益ばかりを
考える人は孤立することを、心に刻んで

調和や規律を大切にすることを学んで
小さい頃から子どもたちは育っていったらしい。

さらに私がすごいなと思ったのは
江戸時代の子育ては
「全員参加型」だったということ。

江戸時代は現代のように夫婦だけで
子育てをするわけではなかった。

親戚や地域の皆で子どもを育てるという
意識がとても強く

子どもたちは、
沢山の「親」たちに囲まれて育った。

臍の緒を切る「取り上げ親」や
生後2日間授乳を任せる「乳付け親」、
名前を授ける「名づけ親」などまでいたらしい。

また地域の人たちがボランティアで
「親」として
「寺子屋」という場所で
子どもに知識や礼儀作法、道徳などを教えた。

そのかいもあって
江戸の識字率、就学率は、当時の世界では
トップクラスの70%~80%を誇っていた。

同じ時代のイギリスは
大都市でも就学率は25%以下だったそう。

今の日本の子育ては
母親の負担が大きくて
困っても相談できずに
一人で孤独感を感じて不安を抱えている。

父親も子育てに参加すべきだって
新しいことのようにメディアは取り上げるけど
江戸時代は既に父親のための育児本も
数多く出版されたらしい。

そして父親だけではなくて
江戸時代のように
たくさんの親に囲まれて
子どもが育っていくような
環境がとても大切だと思っている。

子どもは次の社会を創っていく未来の種。
子育ては未来の社会を育む
本来はとてもやりがいと幸せに満ちたもの。

私にとっても
今取り組んでいる子育ての事業は
まさに未来への種まき。

正確には子どもを育てる
親を育てている事業なんだけど

そんな風にたくさんの親を育てて
人生の土台が完成する幼児期に
本来の幸せな子育てを実現させることが喜び。

今、育ってくれている子どもたちの未来が
本当に楽しみで仕方ない。

江戸時代は
そんな子育ての本質を教えてくれた
一つの大切なきっかけだった。

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