日本にNatureはなかった

「Nature」という言葉の
意味がわからない人は
今の時代ほとんどいないと思う。

でも昔の日本人は「Nature」と聞いても
ピンと来なかったらしい。

昔といっても「Nature」という言葉が
日本に入ってきたのは
実は今からたった約150年前のこと。

それまでの日本には
動植物全体を表す
「自然」という言葉はなかった。

昔の日本人は
自然の中に溶け込んで生きていて

自分たち人間は
自然そのものだと思っていたから。

自分たちと区別して
名前をつけようという
発想がなかったみたい。

確かに西洋で使われている
「自然」は

「自然を保護する」
「人と自然の共存」など

どこか自然が人間と対の関係に
なっているように感じる。

最近、日本でもそういう意味で
「人間と自然を切り離した」
言葉の使われ方がされているけれど

もともとの日本の自然観は
「人間は自然の一部」というものだった。

人間は自然と
共生しているのではなくて

人間は自然そのもの。

この昔の日本人の感覚が
世界中に広がっていけば

「自然」というものへの概念そのものが
変わっていくのではないかと思う。

PAGE TOP